タイトル

  1. ホーム
  2. 記事一覧
  3. 働き手世代が中心となって、静岡市を災害に強い街にする特定非営利活動法人「SHIZUOKA AID SQUAD」

働き手世代が中心となって、静岡市を災害に強い街にする特定非営利活動法人「SHIZUOKA AID SQUAD」

 静岡市

災害支援団体の特定非営利活動法人「SHIZUOKA AID SQUAD」は、2024年6月に設立されました。活動メンバーは、静岡市在住の働き手世代を中心に構成されており、静岡市内にとどまらず、静岡県内外の被災地で物資支援やボランティア活動による復興支援を行っています。また、災害時にスムーズな支援活動を行うため、平時からできる備えとして、備蓄の呼びかけなどの啓発活動や、活動の担い手・賛同者同士の連携づくりにも取り組んでいます。活動を始めたきっかけや、これからの組織づくりについて、代表の村田貴紀さんにお話を伺いました。

地元が被災して気づいた、働き手世代が担える役割

村田さんが初めて災害時の支援活動を行ったのは、静岡市清水区を中心に台風15号が甚大な被害をもたらした2022年9月のこと。仕事の取引先が被災し、進めていた業務が一時的に止まったことで生まれた時間を活用し、水の配送など、被災地域の方々に必要な物資を届ける支援に携わりました。
支援先で、涙を流しながら感謝を伝えてくれた高齢者の姿を目の当たりにし、非常時には自分が動くことで誰かの力になれることがあると、強く実感したといいます。

「東京で学生生活を送っていた頃、東日本大震災が起きました。その時も何かしたいという思いはありましたが、結局行動に移すことはできませんでした。災害は、いつ、どこで起こるかわかりません。静岡の台風被害を経験し、地域での支援活動は、僕らのように体力があり、比較的身動きのとりやすい働き手世代が率先して動くことが大切だと感じました」。その思いを、県内で複数店舗を展開する事業を手がける取引先の経営者に伝えたところ、「それなら一緒にやろう」と賛同を得ることができ、団体の設立につながりました。

特定非営利活動法人という形を選んだ理由について村田さんは、「被災地では、個人ボランティアに直接支援を依頼することに不安を感じる被災者も少なくありません。また、法人格があることで、自治体や社会福祉協議会などと連携しやすくなる」と話します。「SHIZUOKA AID SQUAD」では、地元企業の経営者などが役員となり、企業単位での協力体制を構築。現在は10名がコアメンバーとして活動しています。

平時こそ、被災時を意識することの大切さを伝えたい

「SHIZUOKA AID SQUAD」設立後、村田さんはメンバーとともに能登半島地震の被災地を訪れました。現地で被災者の声を丁寧に聞き取り、何が本当に必要とされているのかを確認しながら連携し、災害復興支援のボランティア活動に従事しました。この経験から、特別な技術や資格がなくても、体を動すことでできる支援は数多くあることを実感したといいます。その思いを地元の多くの人たちに伝えたいと、平時から災害への意識を高めてもらうための啓発活動にも力を入れています。

2025年9月には、牧之原市などで竜巻による被害が発生しました。発生翌日には現地に入り、役員のつながりを活かして、どのような支援が求められているのかを独自に把握。自治体や社会福祉協議会の本格的な支援が始まる前の緊急的な段階で、屋根や窓の破損によって生じたがれきの撤去など、被災者個人では対応が難しい作業をサポートしました。

「こうした経験を通じて、いざという時に迅速かつ組織的に動くためには、平時からの備蓄の呼びかけや、災害ボランティアに関する啓発活動が非常に重要だと痛感しました」。その一環として、県内の高校生が集まるイベントにブースを出展し、これまでの活動写真の展示などを通じて、高校生や一般来場者に向けた災害ボランティアの啓発活動を行いました。

クラウドファンディングで「備えること」の大切さを伝える

村田さんは、被災地でのボランティア活動の経験や、防災に関するセミナーで学んだことから、防災用簡易トイレの備蓄の重要性を強く訴えています。誰もが必要不可欠なものでありながら、十分な備えができていない物資だからです。その普及・啓発活動の資金を確保するため、静岡市が実施している「ふるさと応援寄附金等によるNPO等指定寄附事業(静岡市役所クラウドファンディング)」に挑戦しています。

「静岡市を災害に強い街に〜しずおか備蓄・防災プロジェクト〜」は、「見えにくい課題であるトイレ問題を解消し、静岡市を災害に強い街にしたい」という思いからスタートしました。

※寄付金は、防災用簡易トイレの購入・備蓄費用のほか、防災情報を発信するための広報費用などに活用されます。


「能登半島での活動以前は、土のう袋やシャベル、重機、資材など、現地で作業するための道具の備蓄が重要だと考えていました。しかし、それらはすでに多くの団体が整備しており、現地で貸与する仕組みもあります。また、水や食料の供給体制も比較的整っています。それよりも、確実に備えるべきだと気づいたのが防災用簡易トイレでした」。被災直後は、水や食料以上にトイレの需要が高まり『行きたいのに行けない』ことが大きなストレスになります。

そこで、クラウドファンディングで購入した簡易トイレを、企業の事務所や店舗などに備蓄してもらい、有事の際には近隣住民が安心して利用できるトイレとして提供する仕組みを構想しています。被災時には、避難所に一時的に避難する人もいれば、建物に大きな被害がなければ自宅で過ごす人もいます。しかし、断水が発生すれば、避難所でも自宅でもトイレは使えません。そのような時、近隣の店舗や企業などでトイレの利用ができれば、被災初期にもっとも深刻になりがちなトイレ問題の軽減につながります。こうした拠点を増やすと同時に、個人レベルでもトイレ備蓄の重要性を知ってもらうための啓発活動を進めていきます。

▼ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングURL
静岡市を災害に強い街に〜しずおか備蓄・防災プロジェクト〜

地域で頼られる存在を目指して

今後は、多くの拠点に協力してもらえるよう働きかけ、住民が『身近な会社や店舗が災害時に支援してくれる存在である』と認識できる環境づくりを進めていきます。

災害が発生すると、多くの人が被災者のためにボランティアとして活動してくれます。しかし、いざ被災した際に「近くでどこに頼ればよいのかわからない」という声も少なくありません。だからこそ被災時だけでなく、平時からの活動を通じて団体の存在を知ってもらうことが重要だと村田さんは考えています。そのためには、多くの人の力が必要です。

「地域貢献や社会活動に興味があって、何かできることはないかと考えている人に、身近な場所で地域の役に立つ活動があること知ってほしいと思っています。『SQUAD』という言葉には、軍隊や組織の分隊・小隊という意味のほか、困った時に頼れる仲間というニュアンスもあります。私たちの団体には、災害時に役に立ちたいという思いを持った、20〜30代の最も身体を動かせる世代が集まっています。自治会や町内会とはまた違ったつながりとして、同世代の人たちにぜひ気軽に参加してほしいですね」。

活動に興味がある方、参加してみたいという方は、ホームページの問い合わせフォームから遠慮なく連絡をしてください。ご意見やご要望、困りごとの相談も大歓迎です。一緒に、静岡を災害に強い街にしていきましょう。

更新日: 2026/02/18 () 11:34

静岡市をもっと暮らしやすく、理想の都市にするために
あなたもまちづくりに参加してみませんか。
まちづくりには様々な参加方法があります。
興味があること、得意なことから探してみてください!
イベントに参加 地図で検索 写真投稿 活動団体を探す・
連絡する
オープンデータを
利用する